全日制や定時制とは性質が大きく異なる通信制高校。
と、気になっている方も多いでしょう。
そこでこの記事では
- 通信制高校はどんな高校なのか
- 学費
- 通信制高校に通うメリット/デメリット
- 大学進学はできるのか?
- 通信制高校に向いている人/向いていない人
について紹介しています。
- 通信制高校への進学を考えている方/その保護者の方
- 通信制高校への編入を考えている方
- 高卒資格を取るために通信制高校の入学を考えている方
にとっては必見の内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
ちなみに、この記事を書いている人はこんな人↓
・300人以上の成績をアップしてきた
・通信制高校の生徒の指導経験アリ
通信制高校は、こんな学校だ!
まず最初に結論から簡単に紹介します。
・年に数回〜2週間に1回の登校で卒業できる
・単位の取得はレポートの提出が中心
・全日制と同じ高卒資格が取れる
公立:年間50,000円ほど
私立:年間250,000円ほど
メリット
・自分のペースで勉強が進められる
・自由な時間が多い
・一人ひとりに合ったサポートが充実
・全日制と比べて学費がかなり安い(公立)
デメリット
・自主的に勉強を進める必要がある
・友達ができづらい/人との関わりは少なめ
私立の通信制高校では大学受験やAO入試・指定校推薦などに力を入れているコースもあるから、大学進学は心配ない!
・自分のペースで勉強が進められる人
・学業以外に専念したいことがある人
・学校での人間関係の構築に強く抵抗がある人
それでは、以下で詳しくみていきましょう!
通信制高校の概要
通信制高校は、以下のような特徴がある学校です。
- 登校頻度が全日制/定時制より少ない
- 登校頻度は高校によって異なる
- 在籍年数は3年以上
- 授業は「登校日のみ」「完全オンライン」などさまざま
- 全日制と同じ高卒資格が手に入る
登校頻度
と思う方もいるかもしれません。
実は通信制という名前をしていても、ほとんどの学校では通学日が設けられています。
公立の通信制高校の場合は2週間に1日程度、私立の場合は年に5日程度の通学日が設けられています。
「家から一歩も出ずに高校を卒業する」ことはかなり難しいです。
通信制高校の単位取得方法
単位の取得方法は「レポートの提出」が中心です。
提出方法は、スクーリング日やオンラインなどさまざま。
規定回数レポートを提出し、一定程度の成績を獲得すれば、単位が取得できます。
また、通信制高校の場合は授業が少ないので、ある程度の自主学習能力が必要になります。
そのため「自分1人では全く勉強することができない!」という方はちょっと向いていないかもしれません。
通信制高校の学費はどれぐらい?
通信制高校の学費はとても気になるところですが、これは全日制高校と同じで「公立か私立か」で異なります。
公立と私立の学費の目安は以下の通り。
公立 | 私立 | |
入学金 | 500円ほど | 2〜50,000円ほど |
授業料 | 1〜30,000円ほど | 200,000円ほど |
その他費用 | 30,000円ほど | |
年間合計 | 4〜60,000円ほど | 250,000円ほど |
3年で卒業した場合、公立だと200,000円弱、私立の場合は1,000,000円ほどで卒業できます。
特に私立の場合は、学費という面では全日制よりもかなり安く済みますね。
通信制高校に通うメリットとデメリット
ここでは、通信制高校に通うメリットとデメリットについて、紹介します。
通信制高校に通うメリット
①自分のペースで勉強が進められる
通信制高校に通う1番のメリットは、自分のペースで勉強が進められることです。
全日制や定時制の高校の場合は、毎日決まった時間に学校に行って決まった時間割で勉強をする必要があります。
通信制の場合は、定期的なスクーリングが設けられているため、学校に行かなければならない日は確かにあります。
しかし、基本的には自宅などの安心できる環境で、自分のペースで周りを気にすることなく勉強が可能です。
②自由な時間が多い
通信制高校では、スクーリング日以外は自由に過ごせます。
アルバイトをしてお金を稼ぐもよし、それ以外に何か自分のやりたいことに熱中するのもよし。
通信制は、レポート課題などのやるべきことさえちゃんとこなしていれば、自由時間が全日制や定時制よりも圧倒的に多いです。
生まれた時間を有効に活用できれば、充実した高校生活を送ることができますよ。
③一人ひとりに合ったサポートが充実
特に私立の通信高校では、上手く学校に通えなかった人に対するサポートがかなり充実しています。
私立の場合は、特定の曜日に専任のカウンセラーが常駐していることもあります。
サポート体制の整い方は学校によって異なるので、気になる方は各学校のパンフレットや公式サイトを確認してみましょう。
④全日制と比べて学費がかなり安い(公立)
公立の通信制高校の場合は、20万円弱で卒業できるので、全日制や定時制と比べて学費が安いです。
公立の全日制高校の場合は3年間で140万円弱学費として発生するので、それに比べるとかなり安いですよね。
ただ、私立の通信制高校の場合でも、全日制の300万円弱に比べて1/3程度の学費で卒業できるので、安く済みます。
通信制高校に通うデメリット
①自主的に勉強を進める必要がある
毎日学校に行く必要がない通信制高校の場合は、誰からも勉強を急かされることはありません。
そのため、自主的に勉強を進めてレポートや課題を提出し続ける必要があります。
ただ、私立の通信制高校の場合は「完全オンラインで通学する」という形のコースを開講しているところもあります。
自主学習が苦手な方は、そちらのコースを検討してみても良いかもしれませんね。
②友達ができづらい/人との関わりは少なめ
通学回数が圧倒的に少ない通信制高校では、友達ができづらいです。
通信制高校は、そもそも全日制の高校への通学が難しい人や学業以外に専念したいことがある人が通っている学校です。
そのため、生徒同士の人間関係の構築は決して多くありません。
通信制高校は公立よりも私立の方が人気
学費は全然高いですが、私立の方が入学者は多い傾向にあります。
全日制や定時制よりも、通信制は公立と私立で教育レベルの差が大きいから。
例えば、以下のポイントの全てにおいて、公立よりも私立の方が優れています。
・専門的な科目の履修(就職向けのマナー講座、大学入試対策講座など)
・勉強をサポートしてくれるカウンセラー
・学習システム
・登校やレポート提出の自由度の高さ
もちろん公立では、これらが全く整っていないというわけではありません。
しかし、それでも私立の方が優れていると言わざるをえません。
学費が高いだけのメリットが私立にはある、ということですね。
通信制高校からでも大学進学はできる!
このような不安を抱いている方もいるかもしれません。
もちろん、通信制高校からでも大学進学は可能です!
しかし、全日制高校に比べて通信制高校の方が大学進学率は低いという事実が、明らかになっています。
全日制と通信制の大学進学率は以下の通り。
通信制 | 24.08% |
全日制 | 60.75% |
(出典:令和5年度『学校基本調査』)
この差が生まれている原因には以下の2点が関係していると考えられます。
- 全日制の方が、大学進学を前提として通っている生徒の割合が高い
- 全日制の方が「毎日対面授業を受けている」「先生に質問をしやすい」「友人と切磋琢磨できる」などの観点から、学習環境が整っていると言える
そのため「大学進学には全日制の方が有利」と言わざるを得ません。
だからと言って「通信制では大学に進学できない」と決めつけてしまうのは完全に間違いです。
現在、特に私立の通信制高校では大学受験に特化したクラスが創設されていたり、AO入試や指定校推薦などの推薦受験にも力を入れている通信制高校もたくさんあります。
その結果、通信制高校からも東京一工や早慶上理、GMARCHなどの難関大学への合格者を多数輩出しています。
そのため、「通信制だから大学進学は難しいかな」とは考えずに、大学進学に力を入れている通信制高校について、改めて調べてみましょう。
通信制高校の進学に向いている人/向いていない人
今回紹介した内容をまとめると、通信制高校への進学に向いている人と向いていない人の特徴は以下の通りです。
通信制高校の進学に向いている人
- 自分のペースで勉強が進められる人
- 学業以外に専念したいことがある人
- 学校での人間関係の構築に強く抵抗がある人
通信制高校の進学に向いていない人
- 自分で勉強するのが苦手な人/自分で勉強する習慣が全くない人
- 学校での人間関係を構築したい人
ご自身は通信制高校のスタイルに合っているかどうか、よく考えながら高校選びをしてみてくださいね!
まとめ
この記事では、通信制高校の特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。
通信制高校には、今回紹介した通り全日制高校とは全く異なる特徴があります。
通信制高校が気になる方は、ご自身の目的を達成できる通信制高校があるかどうか、しっかりと調べた上で学校選びをしてみてくださいね!